「ハイキュー!!」は多分20周くらい読んでます、うなばらです。
今日は、というか今日から「ハイキュー!!」の話を沢山書いていきたいと思っています。
これは私にとっての挑戦です。
私はとにかく物語・フィクションが大好きで、幼少期から本や漫画に多く触れてきました。
自分では思いもつかないようなおもしろい展開や美しい表現を知るのはとても楽しく、今でも最も大切な趣味のひとつです。
夢中で読み耽って明け方を迎えたことに気付いた時、なんというか、生を実感します。
一方、目(脳?)が肥えてしまったのか、自らが書く、ということへのハードルが非常に高く、感想を書き記そうものなら「なぜこんな陳腐なことしか言えないのか、、、」と失望し、消すこと幾回。
口語ならまだいいのですが、とにかく書き残すということが出来ない。
SNSではとても的確に感想を述べている方も多いので、そういった方々と比較して、わざわざ私が感想を言葉にする意味もないな、とも思ったりしていました。
でも変えたいんです。心が動いた、私自身のその感情を大切にしてあげたいんです。
なのでその練習として、まずは大好きな「ハイキュー!!」について、少しずつでも感想を述べられたらなと思っています。
以下ネタバレありますのであしからず。
そもそもなぜ「ハイキュー!!」に惹かれるのか、その理由は多くありますが、最大のそれは漫画表現の巧みさです。
以下、具体的に3つに分けてお話します。
(1)「時間」と「音」の表現について
(2)地続きの過去と現在
(3)タイトルの使い方
(1)「時間」と「音」の表現について
基本的に、映像と違って読者の想像力に依拠する本や漫画では、時間と音の表現は非常に難しいものであると考えています。
私の知る限りでこれを最も巧みに表現したのが「ハイキュー!!」なんです。
いきなり言及するのは些か勿体ない気もしますが、やはりこれを語る上で避けては通れないのが、第281話「ハーケン」。
対稲荷崎戦で、日向がアランくんの攻撃を完璧にレシーブする回ですね。
日向のレシーブ遍歴についてはまた別で書きたいところではありますが、まずは時間と音の話を。
「ハイキュー!!」では集中線や背景の流線が多用されて、試合中の動きの勢いが表現されています。スポーツものだと常套手段ですよね。
「ハーケン」でも例に漏れず、激しい攻撃の応酬を追う中で自然と読むペースも早まっていきます。
月島ブロック→侑ファーストタッチでセット→治スパイク→追う月島ブロック→裏をかかれ、治のセットで侑も超笑顔。ブロックも振り切っての万全の態勢で全国3本指スパイカー尾白アラン!!実況もコマをぶち破る破竹の勢い!!
からの。
ページをめくった瞬間、あ、と時が止まりました。
極度に集中した時の、音が消え、世界がスローモーションになる、あの感覚をこうもリアルに呼び起こされるとは。
一コマ一コマ丁寧に描かれた日向のレシーブは、ゆっくりと、でも確かに流れるようになめらかに繋がっています。
次のページでもこのスローモーションは続き、周囲の一拍ほどの驚きと、雲雀田監督の独白がゆっくりと沁みてきます。
(正直、この監督の独白だけで鼻の奥がツンとしてきます。美しい描写。)
(あと、日向が1年合宿で仲良くなった白鳥沢の1年ズがこのタイミングで五色のタブレットを覗きに来るのも好きです。芸が細かい。)
この表現のため、見開き2ページに渡り、集中線や背景の線は一切排され、コマ同士の間隔も余白が十分に取られているんですよね。
呼吸を忘れるような長い一瞬です。
比較して、さらに次のページの、過去のシーンがミチミチに詰め込まれたコマでは、これまでの日向の道のりが一気に提示され、このディグの「意味」が改めて想起されています。
その意味をより一層大きいものにさせる影山の「ナイスレシーブ」の言葉を皮切りに、一気に時間は早さを取り戻し、叫び声も戻ってきます。菅さんの「カウンタアアアァアア」、完全に聞こえます。
何度読んでも、時間と音を見事紙面に落とし込んだこの表現力には感動します。
未読の人にも既読の人にも、何度だって勧めたい。ぜひ読んで。
[第281話]ハイキュー!! - 古舘春一 | 少年ジャンプ+ (shonenjumpplus.com)
稲荷崎戦ばかりですが、第290話「バケモンたちの宴」でも。
大耳さんにブロックされたボールを影山がなんとか触り、それをギリギリで追って指先で上げる月島。でもボールはよりコートの奥へ。
ここも音の無い緊迫のシーンですが、だからこそそれを大地さんが稲荷崎コートへ返した時の、わああと響き渡る歓声が引き立って聞こえるようです。
そして最後のその瞬間。
ブロックされたボールがゆっくりとコートに落ちるさまを、銀が、赤木さんが、北さんが。金田一が、穴原先生が、研磨が。
多くの目が見つめる長いその時が終わり、審判の笛をきっかけに、忘れられたようだった時間と音が押し寄せてきます。
[第290話]ハイキュー!! - 古舘春一 | 少年ジャンプ+ (shonenjumpplus.com)
(あとここ、ボールがコートに落ちた瞬間を北さんの瞳の中にしか描かないのも、そのまっすぐな視線を表現していて大好きです。)
はーーーーーーーーーーーーーーーー漫画上手いな。
相変わらず私の語彙力表現力が全く追いついていませんが、とにかくこの一言に尽きます。
「時間」と「音」、ぜひ意識して読んでみて欲しいです。
(2)以降はまた次の記事にて。
今はえいや、とこれを公開しないと冷静になったら消しそうなので。えいや!